2011年9月28日水曜日

「反原発不買運動」について

反原発運動の一環として「不買運動」を試みる人たちがいるが、果たして効果をあげることができるんだろうか?
結論から言えば不可能だ。それが現実だ。心意気は買うけれども現実的ではない。
仮に実現できたとしても、それは日本の経済活動を完全にストップさせてしまうことになる。

一般消費者の持つ影響力という観点から

反原発不買運動の対象企業の生産活動を冷静に見ればわかるが、それらの企業の売上や収益は一般消費者の消費活動からはほとんど影響を受けない。一般消費者が不買運動を行っても、それは他の要因(たとえば為替レートの変動)によって受ける影響よりも少ないのだ。
だから、原発関連企業に有効なダメージを与えたいと考えて家庭向け民生品の不買をしたとしても、それは原発関連企業の総売上のほんの一部であり影響はない。

原発関連企業の生産活動全体という観点から

次に、反原発不買運動の対象企業の生産活動全体に影響を与えることを仮定してみよう。

原発関連企業の生産活動は多岐にわたる。むしろ、日本国内の経済活動に幅広くかかわっている企業だからこそ原発に関わる経済力と技術力を持っているといったほうがいい。
なので、原発関連企業に対して(たとえば、総売上の過半数を占めるほどの)不買運動が仮に実行されれば、大半の日本企業は主要な部品や原材料の国内調達ができなくなるくらいの影響力を原発関連企業は持っていると考えるべきなのだ。
つまり、原発関連企業に対して有効なダメージを与えるほどの不買運動は、原発関連企業のみならず日本国内の経済活動全般に対して多大なダメージを与えることになる。現実にはそれだけの不買運動は不可能ですが。

要するに、一般消費者が考える「反原発不買運動」は有効性に乏しいと言わざるを得ないのです。
そもそも、原発に関連して「○○」という企業が製品を納入しているとして、どこまでが直接の資本関係のある企業なのか判断できますか? 「○○」という文字だけに着目して不買運動を実行すれば資本関係的には無関係な企業にダメージを与えることだってありますよ。そこまで考えずに「不買運動をしましょう」とツイートされているのを見ると恐ろしくなります。

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