2013年5月25日土曜日

「投機」には興味はないのだが…

ここ最近、法律学の中でも「商法」の、その中でもとりわけ「商事決済」に関連する本ばかりを何冊も買い込んで読み漁っている。
だいたいが、「商取引法」とか「商行為法」とか「決済」とか「手形小切手法」とかいう表題がついた本だ。

関心の中心は、契約時に約束した商品の引渡し(delivery)」代金の支払い(payment および settlement)」の時がずれている契約類型だ。
通常の「商法」の範疇だと、
  • 商品先渡し →代金後払い
  • 代金前渡 →商品後日渡し
となる。
前者の日本における典型が、手形決済による「掛売り」だ。
銀行振込確認後に商品を発送してもらう形での買い物で後者を経験した人も多いだろう。

だが、それ以外の形態もある。
「商取引法」「商行為法」「決済」「手形小切手法」という表題の本に続いて買った本には、
「先物取引」
という表題がついている。
具体的には
  • 「商品先物取引法」
  • 「金融商品取引法」
といった種類の本である。

要するに
  • 契約の時点では手元に商品がなく、したがって「商品の引渡し」はなく、
  • また、契約の時点での「代金(全額)の支払い」もない
という、仕組みを理解しないとなんだかただのギャンブルみたいな謎の取引である。

まあ、私の実際の関心の中心は、
「商品先物取引法」のほうにあって、「金融商品取引法」のほうは「商品先物取引法」が一部制度的に倣っているものがあったりあったり、将来的な取引市場の相互乗り入れを予定した既定があったりしている関係で参照しているといった程度なのだが、こういったキーワードを Twitter でツイートしていると、金融取引、中でも「FX(外国為替証拠金取引)」でちょっと儲けてみようか、というヒトたちに勘違いフォローをされたりして困ります。

そっち(投機)には関心ないのにねえ。

しかし、問題は書籍の出版状況のほうです。
この手のテーマを扱った本は、
儲け話の本 ←「もうかりまっせ」
被害者救済の本 ←「先物取引はギャンブル」
というものばかりで、
  • どういう法制度や取引制度なのか
  • どういう長所・短所がある制度なのか
といったものは極めて少ないのです。

まあ、
「マンガと小説と料理のレシピ本しか読まない」
といった程度の精神の持ち主だらけの社会にはピッタリですけどねwww


【文献リスト】

■商品先物取引法

河内 隆史, 尾崎 安央・著
『商品先物取引法』
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4785719850/

米良 周・著
『商品先物取引の手引き』
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4496043998/

三次 理加・著
『商品先物市場のしくみ』 (PHPビジネス新書)
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4569776590/

■金融商品取引法

近藤 光男, 吉原 和志, 黒沼 悦郎・著
『金融商品取引法入門〔第3版〕』
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4785720522/

黒沼 悦郎・著
『金融商品取引法入門 第5版』 (日経文庫)
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/453211277X/

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